【Macで文芸創作】白熊メモ「Bear」


Bear は Markdown に似た書き方でメモがとれる、メモアプリだ。AppStore をのぞくと、よくこの Bear が特集されている。メモアプリと紹介したが、 Bear で長文を書く使い方もあろうかと思う。
 基本機能は無料で使用できる。年 1,500円(月 150 円)のサブスクリプションで Bear Pro にアップグレードすると、iCloud を通して iPhone や iPad などの端末とメモを同期できる。

🔗  Bear – Notes for iPhone, iPad and Mac 

基本的な使い方

Bear では、メモをフォルダで整理しない。メモにタグをつけて整理する。
 ウィンドウの一番左は、タグのリストが並ぶ列だ。真ん中の列は、そのタグがついたメモのリスト。
 一番右が、エディタとなっている。

タグで整理

タグ付けはきわめて簡単で、快適なのだ。メモのなかのどこでもいい。#タグ名 と書きこむだけで、タグが生成される。

すごくいいと思うのは、このタグの下に展開するタグを作れるところである。あたかもサブフォルダのように機能する。書き方は、#タグ名/サブのタグ というように、半角スラッシュで区切る。

マルチワードタグ、なるものもサポートしている。
 書き方は、#タグ名/サブのタブ マルチワード# というように、半角スペースで区切ってシャープで囲む。マルチワードタグ、というのは正直よくわからないのだが、サブのタグ内で展開されるタグ、ということではないかと思う。

どうであれ、キーボードから手を離さずに文書を整理できるのは楽しい。いかようにも操作できる気がする。
 タグ付けには、メモリストのメモをタグにドラッグ&ドロップする、という方法もある。メモの文末のほうにタグが記入される。
 また、左のコラムでタグを右クリックすると、タグの名前を一括変更することもできる。これもかなり便利だ。

おぼえやすい Markdown

Bear の Markdown はわかりやすくて面白い。

アンダーバーで囲んだ単語には、アンダーラインがつく。
_アンダーライン_ アンダーライン
 ハイフンで囲んだ単語には打ち消し線が引かれる。
-打ち消し線- 打ち消し線
 スラッシュで囲んだ言葉は斜体だ。
/斜体/ italic

Bear の Markdown は見た目重視でおぼえやすい。にもかかわらず、細かくおぼえる必要もない。右下のほうにあるペン先のアイコンをクリックすれば、Markdown の書式のリストがあらわれる。手厚くキーボードショートカットが設定されているのを確認できる。
 リンクや引用などは、ほぼ普通の Markdown と変わらない。
 コードブロックは、スクリプト言語の名前を書いておくと、ある程度シンタックスハイライトをつけてくれる。
 これらの Markdown は「形式」メニューからも入力できる。
 また、ローカルにある画像をエディタにドラッグ&ドロップすると、画像を表示してくれる。

長文執筆

Bear のエディタは使いごこちがいい。長文執筆する際にも活躍してくれそうだ。
 小説だったら、単純に「第一章」「第二章」とメモを作って書いていくだけでもいいだろうし、キャラクターや舞台など、いろんな要素でタグをつけていくのも面白そうだ。

Bear の環境設定、エディタの設定はシンプルの極みで、うならされる。
 行の高さやフォントサイズをスライダーで設定するのだ。

文字数を知りたい場合は、エディタの右上にある、丸でかこんだ「 i 」をクリックする。最終変更日や、文字数などの文書の情報のほかに、書き出しメニューがグラフィカルに表示される。

書き出しは、Markdown、PDF、HTML のほかに、RTF、MSワード、また JPG にもできるらしい。
 メモリストを複数選択し、右クリックすると、メモを結合することもできる。

Bear で小説の設定メモを作る

Bear 独自の Markdown にメモ間のリンクがある。
 メモ内に [[リンクしたいメモのタイトル]] と書けば、別のメモへのリンクを貼れるのだ。

タグもそうだが、[[ と打ちこみ、文字を入力しはじめると、候補を表示してくれる。
 これを使えば、ちょっとした wiki みたいなものが作れるはずだ。

ヴァニラ王国興亡記、という小説の主人公のメモを書いてみた。
 この文中にある「ヴァニラ王国」とはなんなのか。設定する必要を感じたとする。
[[ヴァニラ王国]]と囲むと、リンクが生成される。このリンクをクリックすると新しいメモが作成されるのだ。
「ヴァニラ王国」を選択して右クリックするとあらわれる、「選択内容でメモを作成」という項目を実行してもいい。
 メモを作ったら、そこに「ヴァニラ王国」の説明を書くわけだ。さも前から構想していたかのように、その場で思いついたホラを書いていくのがコツだ。タグは #ヴァニラ王国興亡記/舞台 とでもしておく。
 主人公のメモに戻ると、「ヴァニラ王国」のリンクが機能しているのを確認できる。

同じように、ルーファス、だとか、エドニス、だとか、カムロ、という固有名詞にそれぞれメモを作っていく。主人公の親友ルーファス・チャライには、可愛い妹がいることにし、エッグ・チャライと名付ける。
 そしたら、その妹のメモを作る。つまり、その場その場ででっちあげた適当なホラに固有名詞が出てきたら、どんどんメモを増やしていける。増えていってしまうのだ。

こうやって設定を育てていくのがすごく楽しい。書いているうちにだんだんストーリーも見えてくる。この楽しさは、メモ間の連携が取れるからこそではないか、と思う次第である。

Bear のインターフェイスは洗練されているが、冷たい感じはしない。シロクマが可愛いというのもあるが、メニューなどの操作部分が練られていて、過不足ない感じなのだ。年額 1,500 円というのも適切な値段に思える。ローカルでのみ使うなら、必ずしもサブスクリプションはいらないかもしれない。インポート、エクスポート機能が充実しているので。
 Bear はかなり良く出来ているので、使い道を文芸創作だけにとどめるのは、ちょっともったいない。ひとそれぞれに使い道があるアプリだと思う。