Mac で RPG ツクールのゲームを遊ぶ

ちょっと時間があったので、前からやりたかった Hero and Daughter という Windows のフリーゲームをやろうと思った。おもしろい、と聞いていたので。あまり使わないノート PC があるのだが、どうせなら、Windows 上ではなく、Mac でやりたい。使うのは、当然これだ。

🔗 PlayOnMac

PlayOnMac は、ウィンドウズのアプリケーションを、Mac で実行するアプリである。wine という技術がもちいられている。すべてというわけにはいかないが、古いプログラムならけっこう動く。

PlayOnMac のインストール

上記サイトから、PlayOnMac の dmg ファイルをダウンロードする。

インストールは難しいことはない。アプリ本体をアプリケーションフォルダにコピーするだけだ。

アプリケーションフォルダにインストールされた PlayOnMac を右クリックの「開く」で起動する。

このようなメッセージが出てくる。使っている Mac の情報を、匿名で送信する許可を求めているらしい。Yes をクリックしても、おそらく大ごとにはならないし、No を選択しても支障はないと思われる。

どちらかを押せば、メインウィンドウがあらわれる。
 これで PlayOnMac のインストールは完了だ。

RPGツクール VX ace RTP のインストール

Hero and Daughter をプレイするには、 RPGツクール VX ace というランタイムをインストールする必要がある。下記 URL から ZIP ファイルをダウンロードできる。

🔗  RPGツクールVX Ace RTPダウンロード 

ZIP ファイルを展開すると、Windows の exe ファイルが PlayOnMac のアイコンに変更しているのを確認できる。

「Setup.exe」などのインストーラ形式の exe なら、このアイコンをダブルクリックすればインストールがはじまる。
 RPG ツクール VX Ace のランタイムパッケージもインストーラ形式だ。さっそくインストールをはじめる。PlayOnMac は、XQuartz、Wine Mono、Gecko、というプログラムを必要とするので、初回インストールの時にまず、それらのインストールが開始される。

このウィンドウから進まない時は、XQuartz のサーバは落ちている可能性が高い。 筆者の場合はここから進めなかった。Homebrew でもインストールできるので、いざとなったらそちらからインストールするといいと思う。
brew cask install xquartz

こういうウィンドウが出てくるので、インストールするフォルダの名前を決める。ここでは VXace と名付けた。ホームフォルダに作られた「PlayOnMac’s virtual drives」のなかに「VXace」というフォルダが作成され、ランタイムはそのなかにインストールされる。

wine mono は .NET を動かすのに必要らしい。
 Gecko は Firefox の HTML レンダリングエンジンだ。PlayOnMac は Gecko をもちいてダウンロードをおこなったりするようだ。

これが終わると、VX Ace のインストールがはじまる。

完全に文字化けしている。なんとなく推測してボタンを押して進んでいくしかない。右のボタンはどうやら「キャンセル」らしいので、左のそれっぽいボタンを押す。

インストール場所を指定するウィンドウらしい。特にいじらなくていいと思う。

ディスクの挿入をもとめられる。「setup-1.bin」というファイルを必要としているらしいので、ダウンロードして展開した「RPGツクール Vx ace RTP 」のフォルダを指定する。

ここまできて、やっとインストールがはじまる。

インストールを終えると、ショートカットの作成について尋ねられる。
 Vx ace RTP はランタイムなので、ショートカットは必要ないだろう。一番上の「I don’t want to make another shortcut」を選択する。

これで RTP のインストールは完了だ。

Hero and Daughter

Hero and Daughter のダウンロードリンクは、下記サイトさまの「Download」にある。

🔗 Hero and Daughter(作者:tachi)公式サイト|無料で遊べるゲームマガジン

しかし Mac でアクセスするとダウンロードできない。製作者さまの、最適な環境で遊んで欲しいという意志が感じられて胸が痛むが、今回だけは実験だと思って大目にみていただきたい。
 ダウンロードリンクは、右クリックメニューの「ページのソースを表示」で判明する。Safari の場合は、Safari 環境設定で開発メニューを表示させる必要がある。

ダウンロードした ZIP ファイルをダブルクリックすると、「Hero_and_Daughter_3c」というフォルダが展開される。「Game.exe」はインストーラではなく、アプリ本体なので、フォルダごとしかるべき場所に移動するだけでいい。
 今回の場合は Vx ace RTP をインストールした、ホーム>「PlayOnMac’s virtual drives」>「VXace_」>「drive_c」>「Program Files」あたりが適当だろう。この中に「Hero_and_Daughter_3c」フォルダを移動する。

移動したフォルダのなかの「Game.exe」を起動してみる。

うまくいった。とても嬉しい。
 RPG ツクールで作られたゲームはだいたいが Z キーが決定ボタン、X キーがキャンセルボタンとなっている。キャラクターの移動は矢印キーだ。F1 キーで設定画面があらわれる。画面のチラつきが目立つもののプレイできなくもない。また、ゲームパッドを繋いでから起動すると、ちゃんと認識される。
 ゲームのほうは面白い。傑作といわれるだけある。シンプルなのにやりこみ要素が凄い。

いろんなゲームが出来る

帽子世界というゲームもプレイした。
 フォルダを上記の「Program Files」に置くだけだ。問題なく動作してくれた。
 シューティングゲームはどうだろう、と思って東方紅魔郷の体験版も試してみた。動作は問題ないが、画面のチラつきが致命的に出る。惜しい感じだ。
 PARSEC47 というゲームも試してみた。むかし Mac 版もあっておもしろかったのだが、Mac で carbon アプリが動かなくなるとともに、プレイできなくなっていた。
 PARSEC47 も、ものの見事に動作する。core m3 の MacBook だが、なめらかに動く。東方紅魔郷もそうだが、ゲームパッドをつなぐと、特に設定する必要もなく認識してくれる(使ったのはバッファローの Classic USB GamePad というもの)。
 画面のチラつきは Mac mini 2018 では出ないので、ハードウェアによるものらしい。

なんにせよ、これは夢が広がる。というか、知っていたつもりだが、Windows のゲームの豊富さにびびる。PlayOnMac で動かせる Windows アプリは、なにもゲームばかりではない。Mac で動かしたいアプリがあったら試してみる価値はあると思う。