radikoro の使い方 その3 – ループバック録音

インターネットでラジオを配信するサービス、radiko.jpNHKラジオ らじる★らじる
 radikoro は、これら を聞くためのアプリだ。
 ラジオを聞くだけではない。ボタンひとつ録音もできる。予約録音も、タイムフリーの録音もこなせる。使いこなせば好きな番組のライブラリが充実すること、うけあいである。

radikoro の内蔵録音は、流れてくる音声のデータを蓄積してファイルにする、という形式に近いのではないかと思う(違うかもしれないが)。
 それに対してループバック録音は、Mac が発する音を、マイクで記録する、いわゆる「録音」だろうと思われる。Mac が音声を発する限り録音できるので、例えばラジコや「らじる★らじる」の仕様が変更されても対応できるだろう。
 ループバック録音は、「複数出力装置」というものを設定すれば、録音しながらラジオを聞くこともできる。これも内蔵録音との違いだ。

kuwatec Audio Loopback のインストール

ループバック録音には準備が必要だ。
 準備は、kuwatec Audio Loopback のインストール、複数出力装置の設定、という流れをとる。

🔗 音声の記録について

上記の URL からインストーラをダウンロードする。

ダウンロードしたインストーラを右クリックで開き、実行する。

Mojave では(あるいは High Sierra でも)セキュリティに許可を与えなくてはならない。インストールの途中で以下のようなダイアログが出るはずなので、システム環境設定の「セキュリティとプライバシー」で「許可」のボタンを押す。

これでインストールは完了だ。
 システム環境設定の「サウンド」に kuwatec Audio Loopback が追加されていれば成功している。追加されていなければ、システムを再起動する。
 それでも追加されていない場合は、インストールをやり直す。

この状態でもループバック録音をできるものの、録音中、音声は流れない。radikoro の音声は、kuwatec によってマイクに流されるからだ。
 ラジオを聞きながら録音するには、kuwatec とスピーカ、複数に音声を出力する、複数出力装置を作成しなくてはならない。

複数出力装置の作成

作成は、macOS に標準でインストールされているアプリ「Audio MIDI設定.app」でおこなう。
 場所は「アプリケーション」フォルダ>「ユーティリティ」フォルダのなかだ。
 起動したら、ウィンドウ左下にある「 + 」ボタンをクリックし、「複数出力装置を作成」を選択する。
 設定は、だいたい以下のようでいいと思われる。

  • 右下の欄にある「kuwatec Audio Loopback」にチェック
  • 「内蔵出力」にチェック。ほかに常用しているスピーカがあれば、そちらにチェックを入れる(スピーカによっては、「外部ヘッドフォン」などになっているかもしれない)。「音ずれ補正」も一応、チェック
  • マスター装置を「kuwatec Audio Loopback」に設定
  • サンプルレートはお好みで。44.1kHz で問題ないと思う

ここまできたら、ループバック録音の準備は完了だ。

ループバック録音

ループバック録音の設定は、radikoro メニューの環境設定、録音タブでおこなう。
 録音方法をループバックにすると、システムが radikoro のマイクの使用について尋ねてくるので、OK ボタンを押して許可を出す。

設定項目は以下のようになっている。

入出力源
kuwatec Audio Loopback
録音形式
AAC、Apple Lossless、AIFF、WAVE から選べる。
ビットレート、サンプルレート、サンプルサイズ
この辺はお好みで。個人の感覚だが、数字を上げてもそれほど音質に変化はない気がする。
チャンネル
ステレオ、モノラルを選べる。
保存場所
保存場所を決定する。ここを決めておかないと録音されない。
録音中も音を出す
チェックを入れると、録音中もラジオを聞ける。
その場合は、下のセレクトメニューで「複数出力装置」を選択する。
出力先切り替え後に録音開始するまでの待機時間
デフォルトで問題ないと思われる。

録音をループバックにすると、録音ボタンに「 L 」がつく。
 試しに録音ボタンを押すと、かすかに音声が途切れた後、録音がはじまる。音声も流れたままで、ラジオを聞きながら録音できる。

予約設定

予約録音のやり方は、内蔵録音と変わらない。
 設定画面は、メニューバーの「設定」>「予約設定…」で呼び出す。

放送局
録音する番組の放送局
開始時刻
番組の開始時刻
終了時刻
番組の終了する時刻。
録音を終了する時刻だけ設定したい場合は、右にある「終了時刻のみ設定」にチェック。いま録音しているものが、時間になると終了する。この画面の「放送局」は、なにを選択しても反映されない。
繰り返し
毎週、毎日、月-金の帯、などで繰り返し録音する場合は、曜日にチェックを入れる
録音中に予約時刻が来た時の処理
今現在の録音を優先するか、予約を優先するかと選べる
ファイル名
番組名などを書きこんでおけば、ファイルに名前をつけてくれる
パワーマネジメント
システムを起動させたり、スリープ中の Mac を復帰したりして録音してくれる。管理者パスワードが必要。
 開始時刻の五分前に起動、またはスリープ復帰をするので、次のスリープが始まるまでの時間は五分以上にいておかなくてはならない。システムを起動させる場合には radikoro がログイン項目に入っている必要がある。
 また、システム環境設定の「ユーザとグループ」>「ログインオプション」で「自動ログイン」をオンにしておく。さらにいえば、寝ているときに radikoro が鳴り出すとうるさいので、radikoro の環境設定、「その他」タブの「起動時から消音する」にチェックを入れたほうがいいかもしれない。
「録音後にスリープする」「録音終了後にシステムを終了する」にチェックを入れておけば、終了後の設定ができる。
録音しない
録音せず、時間になったら番組を流したい、という場合はここにチェックを入れる

もちろん、予約時間には radikoro が起動していなくてはならない。

個人的な経験で恐縮だが、ループバック録音は録音の失敗が少い気がする。
 失敗した場合、対象の番組がラジコならまだチャンスがある。タイムフリー機能を使うのだ。radikoro なら、タイムフリーの録音もできるのだ。

なお、録音した音声の利用は、私的使用に限られているので注意。