M2 MacBook Air を買った

2022年12月30日

M2 MacBook Air 買った

2022 年の 6 月に発表された M2 MacBook Air を買ってしまった。
 CPU、GPU 8 コア、メモリ 16 GB、SSDが 512 GB、あと英語キーボードにカスタマイズして、22 万円とちょっとだった。支払いは Paidy 後払いというのを利用し、9,200 円/月 × 24 ヶ月というクビキを負うことになった。ありがたい話だよ。

筆者がラップトップでやる作業といえば、だいたいはテキストファイルの編集だ。
 Chromebook や Linux でも十分な作業しかしていない。なので M2 MacBook Air は完全なる贅沢である。必要に応じて買ったわけではない。雰囲気だ。気分で買った。
 そういったこともあって、M1 MacBook Air より CPU の性能がどうなったとかいう話に、あまり興味がない。さまざまなレビューを読んだところでは、ちょっとだけ良くなった、みたいな印象を受けたし、使っていても、そうかもしれない、と思う(メモリを倍増したので、特にきびきび動く感覚はある)。
 stable diffusion の画像生成が、M1 Air の時の半分の時間に短縮されたのは確認した。これがやりたかったので、メモリ 16 GB にした部分がある。

そういうユーザが、雰囲気で語る M2 Air、ここがいいというランキングを考えてみた。 

第三位 筐体

馬鹿な感想で申しわけなく思うが、やっぱいいっすよ、ミッドナイト。「おれは陰キャだから黒だな」と思ってミッドナイトを選んだんだけど。
 実際に届いたものを見ると、これ田舎のヤン車の色だわ。

ヤン車の色

でも良し。いろんなレビューで書かれていたことだけど、ミッドナイトは指紋が目立つ。気になるひとは気にするだろうが、気にしなければ気にならない。ただ、白っぽい手汗のあとが、あまりにはなはだしくなってくると、やっぱりズボンにすりすりして汚れを落としたくなっちゃう、という現実は確かに認めないわけにいかない。

MacBook Air の特徴だった、くさび形の丸みが廃止されたと聞いた時は、ちょっとぉ! と思った。あの形が格好良かったのにぃ。
 しかし新しいフラットデザインに慣れてくると、旧デザインの丸みはいかにもダサい。もっさりして見えてくるんだから、自分で自分が怖くなる。
 ということで、M2 Air の新規デザインは、キリッとして格好良くなった。これにはジョブズもにっこり、だったのではないか、と思う。
 MacBook Air ユーザは、よく天板のあたりを撫でまわし、所有欲や満足感を何度も味わったりすると思う。その撫で回し行為、フラットデザインになっても楽しみが減じることはない。筆者もいやらしく撫でて快感を味わっている。
 ただ、天板の柔さはちょっと気になる。ちょっとした力でたわむ。乱暴に扱わないようにしたいところだ。

MagSafe はもう最高。二重丸。
 筆者は 10 年くらい前、MacBook Air Late 2011 11 インチを愛用していたが、その時より磁力が強くなっている印象だ。引っ張って電源を抜こうとしても、なかなか抜けない。上下に折るようにすると簡単に取れる。
 アダプタのコードの、筐体の色に合わせた布の被覆は高級感があっていい。コネクタのところにランプがついていて、充電中はオレンジ色、充電が完了すると緑色に光る。
 なお、USB での充電もできるので、職場とかには M1 Air で使っていたアダプタを置きっぱにしとくのがいいだろう。

ランプが光る

薄さと軽さもインパクトがあった。
 華奢に見えるほどの薄さは「これを大切にしたい」という気分にさせてくれる。フラットなデザインと相まって、綺麗に加工された、炭みたいな黒さの板、みたいな存在感がある。きゃわいいったらありゃしない。
 そして軽い。
 M1 Air の時のずっしり感がない。実際の重量も軽減しているのだろうけど、おそらくバランスがいいんだと思う。無意味に持ち歩きたくなる軽さだ。M1 Air の場合、手に取って持ち上げようかという、その瞬間にずっしり感がある。M2 は持ち上げ始めが軽くて、すっといける気がする。

ヒンジの感触もちょっと変わった。ちょっとだけだけど、M1 Air より軽くなった気がする。
 指先ひとつで開けて、閉じる時も物柔らい。ぱふっ、て感じで閉じる。M2 Air の印象として、全体的に手応えが繊細になったと思う。

ノッチには正直、戸惑わされた。
 メニューバー領域は書店の棚みたいなもんで、いろいろ奪いあいになりがちだ。メニューバーのスペースは有限な資源なんである。そこにおま、え、こんな? こんな割りこんでくる? みたいなことは思わずにいられなかった。
 このノッチのおかげで、ディスプレイのサイズがわずかに大きくなった。それは結構なことなんだけど、ノッチは邪魔なんじゃねーかな、と思う。Bartender を導入したらいい感じになったけど、ノッチぶっこむなら、Apple が Bartender 的な解決策を搭載しなくちゃ駄目なんじゃねーの?

第二位 音響

これは異論あると思うんだけど、音がすげー良く感じる。
 筆者は楽曲を聞くという習慣がない。でもラジオはよく聞く。そのラジオのパーソナリティーの喋りが、外付けのスピーカみたいな感じで聞こえる、ような気がするんだけど勘違いかもしれない。それほど耳がいいわけじゃないので。
 ひとつ確信を持っていえるのは、M1 Air の糞ダサなスピーカが廃止されて、本当に嬉しい。
 M1 Air のスピーカってのは、キーボードの両脇に細かい穴がボツボツ空いているやつ。あれ本当、なんか駄目な日本のメーカーみたいなデザインだった。あんな格好悪い感じにするくらいなら、音響は捨ててくれよ、と思ってた。
 ボツボツ穴のほうがいい、という意見もある。筆者としては見た目として許せないので、今回のスピーカは評価せざるを得ない。個人的な意見だが。

第一位 キーボード回り

キーボードにも好みがあって、M1 Air より悪化したという意見も所々で見た。
 ストロークが浅くなったらしいんだけど、まず打鍵感はよくなったと思う。M1 Air は音としてバチバチ、M2 Air はピチピチって感じでうるさくない。心安まる雨音みたい。静電容量無接点方式のスコスコ感がちょっとある。打鍵感でいうと固いかな、と思わせてそうでもない。思っくそ文字を叩きこめる。指の走りを受け止めてくれる、というか。
 M2 Air にして一番よかったのは、地味だけどキーボード回りである。そう聞いて Apple の関係者が喜ぶかどうかは知らないけど。

ファンクションキーが大きくなった

M1 Air の場合、ファンクションキーを押すにあたって注意深さが要求された。
 今回の M2 においては ファンクションキーの大きさが一般キーと同じに広がったので、だいぶ楽になった。指感で押せる感じ。
 職場で動画をどうしても見たい場合の消音キーや、多用する esc キーが大きくなったのは単純に嬉しい。
 指紋を感知する電源キーもひと回り大きくなって押しやすい。

カーソル飛びがない

これが一番よろこばしい。これを書きたかった。
 M1 Air の時、キーボードで文章を打ちこんでいると、エディタのカーソルが突然、変なところに飛ぶことがあった。どうも親指の付け根がタッチパッドに触ってしまい、マウスカーソルをクリックしてしまうようなのだ。
 これ本当にイライラさせられた。カーソルが飛んだことに気づかずにいると、変なところに文章を打ちこんでしまうのだ。頭きて、たまに Apple から届くアンケートにも苦情を書いたりしていた。
 そのおかげか知らんけど、M2 Air にしてからカーソルが飛んだことがない。
 ちょっと不思議である。
 M2 Air は M1 Air よりタッチパッドが大きくなっているはずなのに。左右のスピーカがなくなって、キーボードの領域が横に広がったのか、とも推理したのだがよくわからない。
 どうであれ、めっちゃ快適になった。筆者の使い方の問題かもしれないが、M1 Air の時は頻発してたからね、カーソル飛び。

買って良かった

Mac を注文して商品が届くまでの時間って、期待感でいっぱいで一番楽しい時期なのに、今回はちょっと後悔していた。M1 Air、まだまだ全然動くのに、わいはなにをしてるんだろう、とか。
 けど実物に触って考えを改めた。買って良かったと思ったよ。
 所有欲の満足度が凄い。可愛いやつだよ、こいつは。
 持って良し、撫でても良し、打って良し、見て良し、使って良し、という感じ。細やかに作りこまれてる。名機といえるのではないか。
 最近の Mac のプロダクトは楽しいね。マジの天才が作ってんだろうな、と思いますよ本当。