【iOS】Orgro で org-mode の文書を閲覧する

orgro タイトル

emacs の org-mode で書いたメモや todo を、クラウドで他のコンピュータと共有している。これ、非常に便利なのだが、ひとつ問題がある。
 org 書類は iOS にめっちゃ弱い。
 iPhone では .org が未知のファイルのように扱われ、開けないのである。

iOS で org 書類を閲覧する

とはいえ、中身は単なるテキストだ。
 ふつうのエディタをインストールすれば開けるはず。

DraftPad
‎「DraftPad」をApp Storeで

ということで、筆者は DraftPad で org ファイルを閲覧していた。
 DraftPad でプレーンテキストを編集する人気の高いエディタだ。.org のファイルの編集も出来なくはない。
 しかし保存すると拡張子が txt になってしまうので、閲覧専用として使っていたわけだ。
 iPhone で文書の編集はしないので、筆者はこれで困っていない。

と、そこまで割り切るなら、org ファイルを閲覧する、専用のアプリを導入してもいいかもしれないと思った。

Orgro

Orgro というアプリがあるのである。
 ¥610(21.09.01現在)の有料アプリだが、このたび思いきって購入してみた。
 バージョンは 1.20.1 となっている。

Orgro アイコン
‎「Orgro」をApp Storeで

ビューア

Orgro は org-mode ファイルの閲覧アプリだ。
 編集できないのは残念だが、ビューアとしては十全たる機能を備えている。

orgro 動作の様子

強調や斜体などの文字装飾を、emacs と同じように表現してくれ、またアスタリスクによる見出しを色付けしてくれる。
 テーブルの罫線も綺麗にそろっている。
 LaTex 形式も表示してくれるらしい。

アピアランスでダークモードにすることも出来る。

orgro ダークモード

右上にある🔁みたいなボタンは、見出しの開閉だ。emacs の [shift] + [tab] に相当する。一回押せば大見出しを開いて小見出しの列挙となり、もう一回押せば小見出しもすべて開く。さらに押せばすべてを閉じる。

見出しの開閉

それぞれの見出しをタップすれば、その見出しだけ開く。動きは滑らかだ。

機能

サーチ

右下にあるオレンジ色の虫めがねアイコンは検索だ。
 org-capture などでメモを書き貯めてるひとには便利だと思う。
 タグを設定している場合は、検索に合致したタグのついた見出しだけ開く。

リンク

リンクは、ウェブサイトへのリンクの場合、タップすればブラウザで開いてくれる。
 画像の場合もネットのアドレスなら、タップでブラウザ表示となる。
 ローカルファイルのリンクは、リンク先のあるフォルダへのアクセス権を与えると開けるようになるみたいだ。
 が、うまくいかない。パスの表記が Mac と iPhone では違うからだと思う。

リーダーモード

右肩にある「 … 」メニューで、フォントを変更したり、文書の冒頭、末尾へ移動したりできる。メニューにある「Reader mode」は、文字装飾のマークアップを消して、より自然に表示してくれる。

orgro リーダーモードの様子
太字のアスタリスクや、斜体のスラッシュが消えている

シンタックスハイライト

コードのシンタックスハイライトもしてくれる。

orgro シンタックスハイライト

横へはみ出る場合は、上のように、コードの部分だけスクロールできる。

良いのではないかと思う

要するに自宅の Mac や 職場の Windows の emacs で書きとめた情報を iPhone で確認するアプリである。
 筆者のように iPhone で文書編集はほとんどしない、というひとには良いのではないかと思う。
 
 なお、‎MobileOrg というアプリもある。
 こちらは iCloud などに専用のフォルダを作り、org-mode のファイルを管理する。
 文書の編集も出来てかなり良さげなのだが、筆者は使っていない。iPhone のキーパッドでぽちぽち文字を打ちこむのが苦手なのである。おじさんなので。