Mac で動画の一部にモザイクをかける

Mac で動画の一部にモザイクをかける

Mac には iMovie という動画編集アプリが標準でインストールされている。動画を手軽に扱えるいいアプリなんだろうけど、iMovie には動画の一部にモザイクをかける方法が用意されていない。
 この大インターネット時代、意外にあると思うのだ、動画アップしなきゃならない局面と、動画の一部をモザイクで隠したい局面は。
 iMovie でも工夫して、隠したい箇所を画像で覆う、みたいなやり方もあるっちゃあるけど、やっぱりイマイチなんである。
 かといって、たかだかモザイクに Adobe Premiere Pro とか、Final Cut Pro を買うのもなー。

という場合、Shotcut を使うのがいいのではないかと思った。

Shotcut

shotcut アイコン

🎞️ Shotcut – Download

上記のリンクでダウンロード出来る。
 Shotcut は、

  • フリーウェア(寄付は受付けている)
  • オープンソース
  • クロスプラットフォーム(Windows, Lunux, Mac)

の動画編集ソフトである。無料で使用できるのに高機能、かつ動作も重くない。Apple M1 にも対応済みで、メニューなどは日本語化されている。また、ググれば使い方を解説した記事や動画がすぐ見つかるのもありがたい。

モザイクをかけてみる

操作もそんなに難しくない。
 試しに下記リンクの動画をお借りして、奥を通りすぎる白髪の紳士の顔にモザイクをかけてみる。

🔗 Quiet Tokyo street at night – Free Stock Video

セッティング

起動すると下のようなウィンドウがあらわれる。中央の「新規プロジェクト」に適当なプロジェクト名を入力して、開始ボタンを押す。

新規プロジェクトの作成

ウィンドウ左のライブラリに動画をドロップする。と、中央に映像が出てくる。
 下のシークバーの両脇にある三角形を操作すると動画のトリムが出来る。白髪の紳士が画面から消えた後はばっさり切ることにした。

トリム

トリムしたら、中央の動画をウィンドウ下部のタイムラインのエリアにドラッグ&ドロップする。
 あるいは、ライブラリから素材をドロップして、タイムラインの両端をドラッグすることでトリムすることも出来る。

ライブラリからタイムラインへドロップ

映像トラックの追加

モザイクの仕組みとしては、同じ動画を二枚に重ね、上の動画にモザイクをかけ、さらに上の動画の表示領域をせばめる。小さなモザイク領域を下の動画の動きにあわせていく、という感じ。
 タイムラインに空のトラックを追加する。やり方は、タイムラインの三本線メニューから「トラック操作」>「映像トラックを追加」を実行する。

映像トラックを追加

下の「V1」の動画をクリックして選択し、command + c とかでコピー。
 上の「V2」トラックをクリックして選択し、command + v などでペーストする。

トラックに動画をコピペ

ペースト位置がずれていたら、ドラッグでぴったり下と重ねる。
 これで同じ動画が重なった状態になった。上の「V2」にモザイク等のフィルタをかけ、下のトラックはいじらないので、南京錠アイコンをクリックして下の動画をロックしておく。

V1 トラックをロック

なお、タイムラインの高さは shift + スクロール で変えられるので、MacBook Air とか小さいディスプレイの場合は変えておくのがよいと思う。
 横幅はプラスのついた虫めがねのアイコンで広げられる。元に戻す場合はメニューバーの「表示」>「レイアウト」>「デフォルトレイアウトに戻す」を実行する。

モザイクフィルタ

フィルタを追加

V2 トラックを選択し、ウィンドウ左の下部にある「フィルタ」をクリック、「 + 」ボタンをクリックすると新規フィルタを選択できるようになる。たくさん出てくるフィルタのなかから「モザイク」を捜すわけだが、

フィルタを検索

検索欄があるので、「モザイク」と入力するのが早い。
 モザイクを実行すると、画面全体にモザイクがかかる。

モザイクがかかる

さらに「 + 」ボタンでフィルタを追加する。検索欄に「切り抜き」と入力し、「切り抜き:四角形」と実行する。
 四角い切り抜き枠があらわれる。

切り抜きフィルタ

これをドラッグで適当な大きさに縮める。

切り抜きの大きさを調節

「透明」ボタンをクリックすると、黒の背景色が透明になる。切り抜き領域をさらに適切な大きさに調節し、隠したい白髪のおじさんの顔を覆う。

透明ボタン

キーフレームを設定する

キーフレームを打っていくと、切り抜きの四角をアニメーションっぽく移動できる。A 地点と B 地点にキーフレームを打つと、決めた時間をかけて四角が動くのだ。これを使用すれば動く対象にモザイクをかけられる。

キーフレームの設定は、まず option + ← などで動画の頭出しをして、フィルタ欄のストップウォッチのアイコンをクリックする。

キーフレームのボタン

スペースキーを押すと動画が再生される。白髪の紳士が歩き出し、モザイクの枠から顔が外れた時点でふたたびスペースキー。動画を一時停止させる。

キーフレームを設置する

モザイクの枠の中心に丸があるので、これを掴んで枠をおじさんの顔に動かす。これでキーフレームが打たれた。
 さらに動画を再生、おじさんの顔がモザイクから外れたら一時停止し、モザイク枠を移動させる。これをおじさんが画面から外れるまで繰り返すわけだ。
 場合によっては四角の大きさを変える。

キーフレームの設置を繰り返す

最後まで出来たら頭出しして、試しに再生してみる。

テスト再生

うまい具合に動いてくれている。
 うまく動いてない場合は何度でもやり直せる。フィルタ欄のストップウォッチアイコンをクリックすることで、キーフレームを削除できる。動画の頭出しして、ストップウォッチのアイコンを再度クリックし、もう一度やり直せばいい。

書き出し

満足いく出来なら、動画を書き出す。メニューバーの「ファイル」>「書き出し」>「Video…」か、command + E で書き出し欄を表示できる。コーデック等に特にこだわりがなければ、「ファイルの書き出し」を押すだけだ。
「ハードウェアエンコーダを使用」をチェックし、「設定」をクリックすると、videotoolbox を使用でき、書き出しが速くなる。

videotoolbox を使用する

書き出した動画を確認してみると、なかなかいい感じだ。

確認

使っていて楽しい

使い方がわかれば簡単だ。
 動画編集のソフトウェアって操作が難しい印象があったが、なにせいろんなドキュメントというか、使い方を解説してくれる動画や記事があるので、わかってくると楽しい。無料で使える動画編集ソフトはけっこういろいろあるんだけど、使い方の解説が充実しているかどうかがけっこう重要だと感じた。

背景にぼかしを入れて、人物だけを映すとかも簡単に出来る。

背景をぼかす

この場合は V1 トラックに「ぼかし:ガウス」をかけ、V2 トラックを切り抜きすればいい。
 まぁランサーズとかで動画作成の仕事受ける、とかは難しいのかもしれない。でも例えば Youtube の動画くらいなら、これでいけるんじゃねーかな、と思うのだが、どうでしょう。

📽️ 無料動画編集ソフトShotcut | 24gifu:Shotcut

この記事を書くにあたって上記のサイトを参考にさせていただきました。ありがとうございます。