MacBook のチャタリング(?)が改善した

2019年10月26日

macOS 10.15 Catalina にアップデートして二、三日たったころ、MacBook の様子が、きゅうにおかしくなった。
 エディタに文章を入力している時など、文字が二回打ちこまれるようになってしまったのだ。
「ぎぎ」とか「ばば」とか。
 CotEditor と書こうとして「CotCot」と入力されたこともある。
 これが世にいうチャタリングか、と思った。

ここ最近のノート型の Mac には、ことごとく悪名高いバタフライ・キーボードが搭載されている。
 筆者の MacBook Early 2016 モデルも例外ではない。
 ご案内の通り、このバタフライ・キーボードってやつはすこぶる不具合が多い。
 おもな不具合のひとつは、特定のキーが反応しなくなる、というもの。
 バネが壊れたみたいに、キーがふにゃふにゃになってしまうのだ。

もうひとつがチャタリングだ。一回の打鍵で、文字が重複して入力される、というもの。

筆者の MacBook も以前、エンターキーがふにゃふにゃになったことがあった。
 その時は、Apple さんが推奨するお手入れ方法を試したら、あっさり直ったのである。

🔗 MacBook や MacBook Pro のキーボードのお手入れ方法 – Apple サポート

今度も同じだろうとタカをくくっていた。
 が、実際にやってみてもなぜか改善しない。
 というか、ちょっとおかしいのである。キーボードの不具合って感じの挙動ではないのだ。

筆者の MacBook にあらわれた症状の特徴

キーボードがおかしいとしたら、「ぎぎ」という二重入力はおかしい気がする。筆者はローマ字入力なので、「gigi」という誤入力があったことになる。これが「ggii」ならわかるのだ。g キーの誤作動のあと、i キーの誤作動があったと理解できる。
 しかし gigi は、gi と打ちこんだあと、gi が繰り返されているわけで、ハードウェアの故障という感じがしない。
 以下の Gif は「目医者さん」と入力したかったのに、「めいしゃしゃ」となってしまった例だ。

「名車さん」としてしまったのは筆者の変換ミスだが、とにかく複数の打鍵が繰り返されている。筆者の身に起きた不具合の特徴はこんな感じだ。

  • 特定のキーではなく、すべてのキーが満遍なくおかしい。
  • gigi のように打鍵の組み合わせが二度入力される。
  • 再起動するとしばらくは調子がいい。しかしけっきょく再発する。

さらにいえば、

  • 外付けのキーボードでも同じ現象が起きた。

ということで、これはキーボードの不具合というより、なんかソフトウェア的なものかもしれないと思った。
 ちょうど OS をアップデートしたばかりということもあって、そういう推測にいたったわけだ。

PRAM と SMC のリセット

日本語インプットメソッドを疑ったり、エディタを疑ったり、いろいろと試したのだが、どうしても直らない。
 なんか、ソフトウェア的なこと、というのも怪しくなってきた。
 誤作動の動きを見ていると、ヒクヒクしているというか、痙攣的なのである。法則が見出せない、というか。うまくいえないが。

PRAM クリアを試したときは、うまくいくかと思われた。数時間は調子よく動いていたのだ。

🔗 Mac で NVRAM または PRAM をリセットする – Apple サポート

しかし翌日には再発。
 続いて SMC リセットを試した。

🔗 Mac の SMC (システム管理コントローラ) をリセットする方法 – Apple サポート

これには期待していた。
 SMC リセットは電源回り不調が発生したときに行うものであるらしい。
 筆者の MacBook は SMC 関連の不調はいっさいなかった。スリープも再起動もめちゃ調子良かった。
 しかし不具合の起こり方が、なんか静電気っぽく見えちゃったのだ。Mac 内部に帯電してんじゃねーかな、と想像したのである。
「キーボード 帯電」あたりでググってみると、Windows 搭載機の記事ではあるものの、キーボードの不調が放電で直った、というものがいくつか見つかった。期待が高まる。

が、これも駄目。翌日になったらあっさり再発した。
 そもそも SMC リセットって放電のことなの? というのもよく考えるとわからない。
 バッテリの電源を使いきって放置する、という放電方法も試したが無駄に終わった。
 絶望にとらわれたが、あきらめるわけにもいかない。

クリーンインストール

けっきょく初心に帰り、Catalina ちゃんが悪いんだろうという推測に立ち返った。
 筆者は macOS 10.14 Mojave から Catalina へと OS アップデートしたのだが、これを一度綺麗にして、インストールし直してみようと思った。

🔗 macOS 復元から macOS を再インストールする方法 – Apple サポート

試したら、今度は直った、と思う。
 まだビクビクしながら、遠慮してキーボードを打っているので、あんがい再発しちゃうかもしれない。しかし多分──多分だけど直ったと思う。なんか文字を打つときのカーソルの挙動が落ち着いている。雰囲気レベルの話だけど。

チャタリング問題の解決ではない

クリーンインストールから三日たつが二重入力の問題は再発していない。
 筆者の問題はとりあえず解決した気がする。

しかしながら、くれぐれも申し添えておきたい。筆者はバタフライ・キーボードの問題がクリーンインストールですべて解決する、といいたいわけではない。
 バタフライ・キーボードによるチャタリングは確かにあるだろう。
 というのも今回、チャタリングに関する多くの記事を読みあさった。その多くが筆者の身に起きた症例と違いすぎる。記事のほとんどは不調が起きるキーを特定していた。筆者の症例というのは、ほぼすべてのキーで一律に起こったのである。
 二重入力のウザさは身にしみてわかった。この不調と戦っておられる方には敬意を表したい。
 バタフライ・キーボードがモロいものであるのは事実として認めるべきだ。
 そうでなければ、米国で訴訟問題になったりしないだろう。Apple もキーボード修理プログラムなんてやらないはずだ。

🔗 MacBook、MacBook Air、MacBook Pro キーボード修理プログラム – Apple サポート

筆者としては、このような例もあるよ、ということをいいたかったに過ぎない。
 Apple はバタフライ・キーボードの採用をミスとして謝罪し、解決策を提示すべきだと思う。それをしない限り、筆者はすくなくとも誰かに Mac をすすめたりは出来ない。
 同時に。
 Apple がおのれの失態を謝罪をする、なんてことがあるかな。
 とも思っている。マジで傲慢な会社だからなー。