AZIK を使う
AZIK は拡張されたローマ字日本語入力方法である。
AZIK の例
「文章」という単語を打つ時、従来の入力方法だと「bunsyou」などと打ちこむところだ。AZIK だと「bjxp」である。
bunsyou と書けば、「文章」と読める。
bjxp というのは何事か。bj なんてローマ字入力はねぇよ。xp って。
しかし AZIK に馴染むと、bjxp はなんとなくわかる。AZIK において x と p は特別なキーだ。x は後に続く母音にあわせて「シャ、シュ、ショ」と入力される。
xa なら「しゃ」。xi で「し」。xu で「しゅ」。xe で「しぇ」。xo で「しょ」という具合だ。
p は前の子音にあわせて「ou」と入力される。
rp なら「ろう」。bp なら「ぼう」。pp なら「ぽう」。
bj のうち、b は bun の b である。j というのは前の子音とあわせて「un」と入力される。なぜ j が un になるのかといえば、u の下にあるからだ。AZIK を考案された方は、母音 + n が日本語に頻出することに気づいた。なので、各母音の下にあるキーを「母音 + n」に割り当てて、効率をあげるという方法に至ったのである。
a の下にある z は「an」。i の下にある k は「in」。u の下にある j は「un」。e の下にある d は「en」。o の下にある l は「on」。
「金婚式」なら、kkklsiki となる。
「センテンス」なら、sdtdsu となる。
「残念」なら zznd 。
「金輪際」なら klrkzq となる。もうこんなの、konrinzai という元の形がほとんどなくなってしまっている。
AZIK においては、q もまた特殊なキーなのだ。子音 + q で「ai」と入力される。
「最初」なら、sqxo 。
「皆勤賞」なら kqkkxp となる。
この q は、単独だと「ん」と入力される。
この単独のキー打鍵でひと文字が入力される系で代表的なのは、「;」と「’」だ。
; は促音の「っ」。
’ は長音の「ー」である。
ほかにもいろいろあるのだが、詳しい解説は公式サイトを見てほしい。
AZIK を使えば如実にキーの打鍵数が減る。慣れてくれば速く打ちこめることになる。
ただ最初は、こんな打鍵法、おぼえられる自信はなかった。しかし恐しいことに、AZIK は普通の入力を、ほとんどさまたげないのである。
「文章」は AZIK だと「bjxp」と打つ、と先ほど書いたが、別に「bunsyou」と打っても「文章」と表示される。牛乳、と打つ場合、AZIK では「gyhngh」と打つことになるが、これも同じように「gyuunyuu」でもちゃんと打てるのである。
ただ、促音の「っ」だけはセミコロンで入力する必要がある。「tt」と打ちこめば普通は「っt」となるはずだが、AZIK だと「たち」となってしまう。
この促音だけに注意していれば、AZIK 打鍵をすべて覚える必要はない。
気に入った打鍵だけ使っていくと、だんだんと便利に思えてきて、ほかの使い方も試してみたくなる。慣れると楽で、指に浸透してくるのである。不気味なくらい体を支配されるので、ぜひ試して欲しい。
AZIK の導入
AZIK は Google 日本語入力、AquaSKK、かわせみ2でも利用できる。ATOK でも使えるらしいが、よくわからない。
Google日本語入力での導入は下の記事が詳しい。
🔗 Google 日本語入力を AZIK 方式にカスタマイズ – リアルタイム変換も活用した設定 | すぐに忘れる脳みそのためのメモ
AquaSKK なら環境設定で設定するだけだ。
環境設定内の「拡張設定」に US キーボード、JIS キーボード用の設定項目がある。
AZIK のいいところは、習得が容易であることとともに、元の入力方法に戻るのも、比較的に楽なところだ。ベースはあくまでローマ字入力であって、気軽に試せる。その割にリターンが大きいのもいいと思う。
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