Mac、Windows、iOS、Android で同期できるメモ帳、Notion

2020年12月23日

良きメモ帳を探して流浪してきたメモ帳難民は、Notion を見出して長き旅を終える気配である。
 いま、時代は Notion。トレンドは Notion らしい。

Notion とは

🔗 Notion – The all-in-one workspace for your notes, tasks, wikis, and databases.

Notion は単なるメモアプリではない。
 メモだけでなく、なんか仲間と wiki を編集したり、タスク管理したり、そういうことが出来る、ワークスペース、という感じだ。
 ざっと見ただけで試してないが、

  • テーブル(表計算・データベース)
  • カレンダー
  • ToDoリスト
  • ギャラリー
  • ボード
  • タイムライン  などのページを作成できるようだ。

それどころか、web アプリをページに埋めこんだりも出来るらしい。

出来ることが多すぎて、ちょっと敷居が高く感じる。
 しかし、少なくともメモだけなら、なんら難しいことはない。
「+ New page」というボタンをクリックすると新規ページが出てくるので、そこになんか書きこんだり、web の情報をコピペしたりする。
 基本はそれだけ。

Notion の基本単位であるページには画像、動画、音声などを貼りつけることが出来る。ファイルの貼付も可能だ。ただしフリープランでアップできるファイル容量は 5Mb まで。パーソナルの有料プランは月 5 ドルだが、それなら無制限にファイルをアップできるらしい。
 インターネットのリンクも貼れるし、Notion のページ間のリンクも作れる。
 Markdown の記述で書くこともできる。
 また Notion の特長として、メモのヘッダに絵文字のアイコンや、カバー画像を設定できる、というのがある。カラフルでにぎやかな感じにページを飾れるので、使っていて楽しいアプリである。

Notion は Mac、Windows、iOS、Android 上で動くアプリを提供しており、アカウントを通じてメモは同期される。
 それ以外に web アプリもある。ローカルのアプリと比べても遜色なく動作するので、Linux でも使えるだろう。ほぼ環境を選ばない、というところにも最強ぶりが見てとれる。

単なるメモとして使う

多機能なのはけっこうだが、わしゃ Mac と Windows と iPhone でメモを同期したいだけなんじゃい。
 という向きにこそ、Notion はお薦めできる。
 メモ機能だけで、もうちょっとどうかと思うくらい高機能なのだ。
 一度さわれば虜になること間違いなしの出来の良さ。

もちろん、いつか全面的に有料化されたり、サービスが廃止されたり、というリスクはある。でもそれは宿命的なリスクであって、あらゆるサービスにつきまとう、心配したってしょうがねータイプのものだ。
 いざそんなことになったら、PDF や Markdown という形式でノートのエクスポートが出来るので、それで対応するしかない。
 Notion は、日本において「のしょこ」という非公認キャラクターも案出されるなど、かなり愛されている。Youtube で検索すると使い方動画がどっさり出てくる。つまり盛り上がっているのだ。そろそろ日本語化される、というような話も聞くし、そうそう簡単には終わらないと思う。今こそこの波に乗っておくべきではあるまいか。

使い方は簡単だ。
 Notionへいってサインアップする。サインアップは Google と Apple のアカウントでもおこなえる。
 サイトでアプリのダウンロードも出来る。ちなみに Mac には Intel 版と Apple M1 チップに対応したのがある。

筆者の場合、立ち上げてとりあえず左の欄にある、デフォルトの意識高そうなノートを片っ端から消した。Notion を自分の意識の低さまで引き落とすためだが、おすすめはしない(delete したノートは Trash のなかにある)。

これで良し。意識高い臭が消え、すっきりである。

使い方は明快簡便。左下の [ + New page ] をクリックする。と、新しいページがたち現れる。タイトルを書いてエンターを押す。パラグラフのボックスが生成されるので、そこに本文を書く。

基本はこれだけだ。

アイコンとカバー

タイトルにポインタをあわせると、[ Add icon ] ボタンと [ Add cover ] ボタンがあらわれる。Add icon をクリックするとランダムに絵文字のアイコンが出てくる。出てきたアイコンをクリックすれば、別のアイコンに変更できる。
 アイコンは左のページ一覧にも反映され、視認性が高まる。

同じように Add cover をクリックするとカバー画像があらわれる。
 これも[ Change cover ] ボタンで変更できる。

icon も cover も、自分でアップロードした画像を指定することもできる。

スラッシュで文字装飾

本文を書いている時に「/」を入力するとコマンドが呼び出せる。

/ に続けて検索文字を打ちこめば、コマンドを検索できる。

コマンドから、表題やリスト、Todo、引用ブロックやらコードブロックを指定できる。
 ちなみに、コードブロックのカラーリングは、ruby や python など主要な言語をカバーしている。
 イメージを挿入することも可能だ。
 イメージの URL をペーストすれば、画像をダウンロードして表示する選択肢もあらわれる。また web ページの URL を書きこめば自動でリンクされる。

また、スラッシュコマンドでパレットを呼び出さなくても、Markdown の記述に対応しているので、使い慣れているひとには有り難い。

ページの親子関係

ページは、あたかもディレクトリのように、階層化できる。
 親ページに、子ページとなるページをドラッグ&ドロップすると、子ページは親ページの中に入り、左の一覧の三角形をクリックすれば、展開できるようになる。

親ページには子ページの表題が記載され、クリックすれば子ページを開ける、目次のようになる。
 子ページが入ったパラグラフを左の一覧にドラッグすれば、元に戻したり別のページに入れたりすることも可能だ。

兄弟・姉妹にあたるページにリンクを貼ることも出来る。
 リンクしたいページで、[ command ] + [ L ] を押すとページの URL がコピーされる。リンクを貼りたいページで URL をペーストすれば、「Link to page」という項目を選択できるようになる。

レイアウト

ページ内のパラグラフは、横に回りこませることが出来る。

段組みたいなのが比較的たやすく出来るので、工夫すると楽しそうだ。
 段組の境目あたりにポインタを持っていくと、灰色の仕切り線があらわれる。これを左右にドラッグすれば段組の幅が変えられる。

パラグラフは自由気ままにドラッグで移動でき、文章の構成にも役立つかもしれない。

ちなみにパラグラフ内でエンターキーを押すと新規パラグラフが作られるわけだが、パラグラフ内で改行したい場合もある。そういう時は [ shift ] + [ enter ] を押す。

その他

左上、虫めがねアイコンの「Quick Find」で検索できるのだが、これまた Spotlight みたいに優秀だ。ショートカットは [ command ] + [ P ]。

エクスポートは右上隅の「…」みたいなメニューで出来る。
 インポートは左の一覧にあり、ワード書類などからも取りこめる。

表の挿入なども簡単で、いじってりゃあ分かる、というレベルで扱いやすい。このへん、詳しいことは Youtube 等でたくさん解説されているので、使いたい機能があれば動画を捜してみるのが良さそうだ。

Mac のアプリはおそらく electron かなにかで作られている。ウェブベースということであり、ネット環境ありきの使い方を想定しているものと思われる。

Chrome と Firefox 向けに web クリップが提供されているのだが、残念ながら Safari の機能拡張はないようだ。

Notion は自分の必要に応じてどのようにも形を変えていく可能性を秘めたアプリだと思う。
 いまは単純にメモとして使いはじめたところだが、いつか、まったく別の物に変貌するかもしれない。難しそう、と尻ごみするのはもったいない。最初は単純なメモとしてでも、慣れておいて損はないと思う。